接着コラム
【Glue Talk】包装トレンドと課題を読み解く:Advantra® Earthic™ 9500がもたらす革新的ソリューション
26.04.10

本記事はH.B. Fullerのウェブサイトに掲載された技術ブログを積水フーラーが翻訳したものです。
記事原文は以下のリンクからご覧いただけます。
▶ Navigating Packaging Trends and Challenges: Advantra® Earthic™ 9500 as the Game-Changing Solution
執筆者:Karina Borin(硬質パッケージ向けグローバルマーケティング・製品管理)
今日の急速に進化するビジネス環境において、パッケージングのトレンドは、サステナビリティ(持続可能性)、効率性、そしてイノベーションによってますます形づくられています。消費財メーカーは、品質や性能における高い基準を維持しながら、こうしたトレンドに適応するという大きな課題に直面しています。材料使用量の削減や環境負荷の最小化が求められるプレッシャーが高まる中、企業はこれらの課題に効果的に対応できるソリューションを模索しています。Advantra® Earthic™ 9500は、接着剤使用量の削減、生産効率の向上、そしてサステナビリティ目標の達成を支援することで、パッケージングの現場に変革をもたらす革新的な接着剤として注目されています。
パッケージを取り巻く変化への対応:
業界およびFMCG(消費財)分野におけるトレンドと課題リサイクルにおける課題
パッケージ業界は現在、経済的・規制的・環境的な要因が複合的に影響し合う中で、大きな変革の時を迎えています。こうした変化は業界の構造そのものを再形成しているだけでなく、主要な顧客であるFMCG(Fast-Moving Consumer Goods:日用消費財)企業にとっても、重大な課題と新たな機会の両方をもたらしています。
・経済的圧力と消費者ニーズ[1]
世界経済の成長や可処分所得の違いは、消費者の期待、ひいてはパッケージに求められる要件に大きな影響を与えています。新興市場では、購買力の向上に伴い、手頃な価格で利便性の高い包装食品への需要が拡大しています。こうした市場を取り込むために、FMCG企業は、コスト最適化と大量生産を可能にするソリューションの開発をパッケージ業界に求めています。
一方で、先進国においては、よりスマートでコンパクトかつ利便性の高いパッケージへの需要が高まっており、これはライフスタイルの高速化や、適量消費(ポーションコントロール)やプレミアム性への志向を反映したものです。このような市場の二極化に対応するためには、パッケージ業界には高い柔軟性が求められています。すなわち、低コストかつ高効率なソリューションから、洗練されたデザインや高度な機能を備えた製品に至るまで、FMCG企業の多様な市場戦略に応える幅広い提案が必要となっています。
・規制および食品安全への要請
特に食品安全に関して、規制はますます厳格化しています。多くの規制では、食品接触材料に対する衛生性、トレーサビリティ、安全性の基準が新たに定められています。FMCG企業にとって、すべてのパッケージは汚染を防ぐ信頼性の高いバリアとして機能し、製品そのものだけでなく、ブランドの評判や消費者の健康を守る役割を果たさなければなりません。
こうした要求に応えるため、パッケージ業界には継続的なイノベーションが求められています。具体的には、食品への移行(マイグレーション)が発生しない材料や接着剤の採用、表面の洗浄性を高め残留物の蓄積を防ぐ設計、さらに無菌性を確保する製造プロセスの導入などが含まれます。規制への適合は単なる法的義務にとどまらず、競争力の差別化要因にもなっています。そのため、パッケージ業界では、リスクを低減し消費者の信頼を確保するソリューションを提供するために、研究開発への継続的な投資が不可欠となっています。
なお、パッケージに関する食品安全規制の詳細については、米国のFDA(https://www.fda.gov)および欧州の欧州食品安全機関(EFSA)(https://www.efsa.europa.eu)をご参照ください。
サステナビリティの緊急性と循環型経済への推進
サステナビリティは依然として最重要課題であり、リサイクル適性を高めることを目的として設計されたパッケージの採用が急速に広がっています。この流れの中で、環境負荷の低い代替材料への移行が進んでおり、その代表的な例が紙パッケージです。こうした重要な転換は、EUの循環型経済行動計画(Circular Economy Action Plan)をはじめとする意欲的な法制度によって強力に後押しされています。具体的には、包装および包装廃棄物規制(PPWR)や使い捨てプラスチック指令(SUPD)などが含まれます。米国においても、拡大生産者責任(EPR)に関する法規制が重要な変革の推進力となっており、パッケージの設計、回収、リサイクルのあり方に大きな影響を与えています。このような取り組みは、業界のニーズと高い整合性を持つ成熟したリサイクルインフラが整備されている市場において、特に効果を発揮しています。
こうした変化の中で、接着剤の役割はますます重要になっています。パッケージ分野で循環型経済を実現するためには、接着剤についても、被着剤のリサイクル性を確保・向上できるように設計する必要があります。具体的には、再パルプ化工程において主材から容易に分離でき、かつリサイクル工程を汚染しない接着剤の開発が求められています。さらに、接着剤そのもののサステナビリティ向上も進んでおり、バイオベース原料の活用、溶剤フリー化、カーボンフットプリントの低減、さらには材料・エネルギー・水使用量の削減を可能にする配合設計などの革新が進展しています。
最終的に、より持続可能で循環型のパッケージシステムへの移行を成功させる鍵は、高い接着性能を持つだけでなく、業界の環境目標と完全に整合する接着剤の開発と普及にかかっていると言えるでしょう。
FMCG企業に求められるバランス
こうした複雑な環境の中心に位置しているのが、FMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財)企業です。これらの企業は、イノベーションの推進、各種規制への適合、そしてサステナビリティの実現という複数の要請を、グローバルで多様な市場環境の中で同時にバランスさせることが求められています。
進化し続けるこれらの期待に応えるため、FMCG企業はパッケージ業界と積極的に連携し、新しい材料の採用、エネルギー効率の高い生産プロセスの導入、さらには材料使用量と環境負荷の低減を実現するスマートな設計の追求を進めています。この動きは、性能面での有効性と環境配慮の両立を備えた接着剤といった重要な要素の必要性を一層浮き彫りにしています。こうした要素が、これらの課題に正面から取り組むためのソリューションの実現を後押ししています。
Advantra® Earthic™ 9500のご紹介:課題解決の切り札
こうした多くの課題が存在する中で、Advantra® Earthic™ 9500は、ケースやカートン封緘用途における画期的な接着剤ソリューションとして際立った存在です。本製品はホットメルト接着剤技術における大きな進歩を体現しており、1回の塗布あたりに必要な接着剤使用量を実に25%削減できる点が特長です。
従来の接着剤では、確実な封緘を実現するために比較的多くの使用量が必要とされてきましたが、この革新的な配合により接着強度が向上し、パッケージの完全性や安全性を損なうことなく、使用量の削減が可能になります。
その結果、企業はより少ない接着剤で同等の性能を実現できるため、大幅なコスト削減につながります。これにより生まれた余力を、他の分野への投資に振り向けることで、さらなる成長やイノベーションの推進が可能となります。
経済的・環境的メリット
Advantra® Earthic™ 9500への切り替えによるメリットは、単なるコスト削減にとどまりません。例えば、この接着剤を220ポンド(約100kg)使用した場合、少なくとも89,000箱の封緘が可能となり、これは従来型のホットメルト接着剤と比較して22,000箱分多く封緘できる計算になります。本試算は、従来接着剤では1箱あたり0.053オンス(約1.5g)を使用するのに対し、Advantra® Earthic™ 9500では1箱あたり0.040オンス(約1.13g)の使用を前提としています。
このような効率向上は、生産性の向上につながるだけでなく、環境負荷の大幅な低減にも寄与します。同数のケースを封緘する場合、本製品への切り替えにより、年間で約90kgのCO₂排出量削減が見込まれます。これは、およそ230マイル(約370km)の自動車走行に相当する削減量です[2]。
こうした削減効果は、サステナビリティ目標の達成を目指す企業にとって極めて重要であり、環境へのポジティブな貢献を実現するうえでも大きな意味を持っています。
優れた性能特長
Advantra® Earthic™ 9500は、高速生産ラインの厳しい要求に応えるよう設計されており、短いオープンタイムと短いセットタイムを特長としています。これにより、より高い生産効率の実現が可能になります。
また、優れた耐温度性能を備えており、-40°F(-40℃)という低温から130°F(約54℃)の高温まで対応可能で、さまざまな気候条件や使用環境に適しています。
さらに、低移行設計により食品安全基準にも適合しており、従来のホットメルト接着剤と比較して移行量を大幅に低減しています。
サステナビリティへのコミットメント
Advantra® Earthic™ 9500は、単なる接着剤にとどまらず、オペレーションの最適化とサステナビリティ目標の達成を目指す企業にとっての戦略的なソリューションです。接着剤の使用量を削減することで、それに比例してカーボンフットプリントも低減され、経済性と環境性という二つの目標を高い次元で両立します。両者が調和し得ることを、この製品は実証しています。
産業界が地球環境への影響を低減する方法を模索し続ける中で、Advantra® Earthic™ 9500のようなイノベーションは、単に有益であるだけでなく、もはや不可欠な存在となっています。サステナビリティへの取り組みに、ぜひご参画ください。詳しくは、当社の専門スタッフまでお気軽にお問い合わせください。
[1] 出典:PwC Global Consumer Insights Survey – www.pwc.com
[2] 社内データに基づく(製品あたりのCO₂フットプリント)
※積水フーラーはアドバントラシリーズも一部取り扱っており、ご紹介が可能です。
アドバントラシリーズの詳細はこちらのページでご確認ください。
※本記事で紹介している各種ソリューションは、積水フーラーの包装・紙加工事業部が担当しております。
ご質問やご要望がありましたら、こちらの各種お問い合わせフォームからご連絡ください。
