
学生時代の経験は大きな財産
大学院で有機化学を専攻していた私が積水フーラーを知ったのは、研究室の同期から積水化学グループ合同説明会のチラシをもらったことがきっかけです。内定後のラボツアーで分析機器や試作機器の充実ぶりを目にして入社を決めました。この会社なら技術者として存分にキャリアを積むことができると感じたのです。専攻が業務に直結する機会はあまり多くありませんが、実験の進め方や物事の考え方、技術背景を理解する方法など、学生時代に身につけた思考プロセスは技術者として仕事を進める上で大きな財産となっています。
入社後はウレタン系接着剤に携わっていましたが、2022年中頃からは新たに事業を開始した光硬化型接着剤の開発を進めています。これまで関わってきた技術とは異なる新しい分野への挑戦ですが、日々新しい知識を吸収しながら開発に取り組んでいます。

自分の頭で考え、周囲とコミュニケーションを図ることの大切さ
仕事を進める上で特に心がけているのは「自分の頭で考える」ことです。新しいテーマに取り組む際は、その技術に関する教科書を作れるくらい一般論を把握し、知識を身につけるように努めています。その上で、競合他社と差別化を図り、技術的な優位性を確立するにはどのようなアプローチをとるべきかを考えます。一見テーマに関係なさそうでも、さまざまな情報を組み合わせて試行錯誤を繰り返しながら、より良い製品を生み出すことを目指しています。これらは学生時代から心がけていたことでもあるのですが、会社に入ると自分一人では完結しない仕事がほとんどです。一つの製品が完成するまでには、社内外のさまざまな人々との協力が不可欠です。現在所属しているオート・産業グループは、これまで市場に無かった新しい接着剤の創出も大きなテーマとして掲げていますので、化学の知識だけでなく広く市場を見渡すマーケティング的な視点も必要です。技術的な探求心はもちろん、周囲との円滑なコミュニケーションを図ることも非常に重要だと考えています。
仕事の中で、特に技術的な面で大変さや困難を感じることは少ないのですが、非常に納期が短いプロジェクトに直面することはありました。海外とのやり取りが必要だったこともあり厳しい案件でしたが、周囲と協力しながら間に合わせることができた時は、やり遂げたという感覚を味わいました。開発の仕事では、お客様の課題や要求物性をクリアできた時に、技術者として大きな達成感を感じます。お客様の「困った」を解決し、社会に貢献できていると実感できる瞬間は、この仕事で最も大きなやりがいです。

国境を越えたコミュニケーション
海外チームとの共同プロジェクトでは、コミュニケーションの難しさを感じる場面が少なくありません。英語が得意ではないので「言語の壁」が一番の要因です。メールでのやり取りならば文章が残るので読み返すこともできますが、Web会議では相手の意見を聞き取れないことも多く、上司のサポートを受けながら進めています。また、物理的に距離があるため対面での面談や会議がほとんどなく、実際に業務を進めてみると、お互いの考えが若干異なっていたということもあります。対面であれば話している相手の雰囲気から意図を読み取れることもありますし、国内・海外を問わず、対面でのコミュニケーションの重要性を改めて感じます。
積水フーラーは日米の異なる企業文化を持つ合弁会社です。言語の壁に苦労することは多々ありますが、海外チームと協力して一つの製品を作り上げる経験は大きな自信になっています。また以前H.B.
Fullerへ研修に行った際には、各自がライフスタイルに合わせて仕事に取り組んでいる様子に触れ、多様な働き方があることを肌で感じました。こうした国境を越えた業務に携わる経験は、技術者としてだけでなく、社会人としても成長させてくれます。
グローバルな環境で働く面白さと合弁会社の魅力
積水フーラーは米国H.B.Fullerとの合弁会社なので、グローバルに働くことができる環境が整っています。私自身、仕事のほとんどは海外とのやり取りが必要な案件です。海外研修の機会も用意されていますので、グローバルな環境で仕事をしたいと考えている方にとっては魅力的な職場だと思います。海外でのキャリアに興味がある方は、ぜひ挑戦してほしいと思います。もちろん、国内で仕事をしたいと考えている方にとっても活躍の場は豊富に用意されています。私も入社直後は積水化学との共同テーマを推進していましたし、親会社に出向して活躍している同期もいます。
合弁会社ということもあって、会社規模の割に多様な活躍の場が用意されているところが積水フーラーの良い点だと感じています。私自身は今後も研究・製品開発に携わり、特定の要素技術や用途に固執せず、多様な分野に挑戦しながらエキスパートの道を目指していきたいと考えています。積水フーラーには多岐にわたる仕事があり、さまざまなキャリアパスを選択できる強みもあります。日本を含めたグローバルな環境で自身の可能性を広げたいと考えていらっしゃる方々にとって、積水フーラーは最適な職場だと確信しています。
ある一日のスケジュール
本日の予定、メールの返信、書類作成(報告書など)
実験
昼食
実験
メールの返信、次の日の実験計画