接着コラム
【Glue Talk】より安全な電気自動車用バッテリーパックの設計手法
26.07.28

本記事はH.B. Fullerのウェブサイトに掲載された技術ブログを積水フーラーが翻訳したものです。
記事原文は以下のリンクからご覧いただけます。
▶ A Safer Way to Design Electric Vehicle Battery Packs
執筆者:Elizabeth Knazs(Electric Vehicle/Battery担当シニアアプリケーションスペシャリスト)
自動車の電動化にはいくつかの重要な課題がありますが、中でも熱管理とバッテリーパックの安全性は、引き続き重点的に取り組むべきテーマとなっています。バッテリーセルメーカーや組み立て業者、システム設計者、ティアサプライヤー、そしてOEM各社には、熱管理と安全性の重要な要素に対応した、包括的なバッテリーソリューションが求められています。
バッテリーの安定性を向上させる設計においては、事故発生時における火災の予防や、乗員および緊急対応にあたる人員の安全確保への取り組みが極めて重要です。H.B. Fullerは、電気自動車(EV)向け用途の設計・組み立てに役立つ革新的なソリューションへの投資を行っており、性能を犠牲にしたりコストを上昇させたりすることなく、電気自動車を安全な移動手段とすることに尽力しています。
難燃性断熱材
EV Protect 4006は、EV(電気自動車)のバッテリーセルに断熱性を提供する、難燃性の低密度ポリウレタンフォームです。リチウムイオンセルは、最高の性能を発揮し、かつサイクル寿命やカレンダー寿命を確保するために、使用開始時(BoL)から使用終了時(EoL)に至るまで、一貫した温度管理を必要とします。この優れた断熱性は、微細な独立気泡構造と、熱伝達を抑制する気泡内ガスとの相乗効果によるものです。その断熱性により、温度勾配をより均一に保つことが可能となり、バッテリーパック内の温度安定性が向上します。
単一または複数のセルで短絡が発生した場合、EV Protect 4006は初期の爆発に伴うエネルギーを吸収し、モジュールや他のセルへのさらなる物理的損傷を防ぐ役割を果たします。熱や炎にさらされると強力な炭化層が形成され、これがバリアとして機能します。この層は酸素が未反応の材料に到達するのを遮断し、燃焼の継続を阻止します。また、この熱的バリアは隣接するセルへの熱伝達を抑制し、「熱伝播(サーマル・プロパゲーション)」として知られる連鎖的な発火現象を防ぐ、あるいはその進行を遅らせる効果もあります。

EVバッテリーパックの熱管理
特定の多孔質材料の内部においては、炎を伴わずに自己伝播する持続的なくすぶり燃焼(Continuous glowing combustion)と呼ばれる現象が発生することがあります。EV Protect 4006は、こうした持続的なくすぶり燃焼を引き起こしたり、火災を伝播させたりすることはありません。独立した第三者機関による検証の結果、EV Protect 4006が熱管理に及ぼす効果が実証されています。本製品は、プラスチック材料の燃焼性に関する規格であるUL94のV0およびHBの要件に適合しています。また、H.B. FullerのSwift®bondは硬化中に可燃性の水素ガスを発生させず、代わりに二酸化炭素を放出します。この二酸化炭素は、電気火災の消火にも一般的に使用されている物質です。
当社は、バッテリーパックや管理システムの信頼性と安全性を向上させるため、お客様との協業の機会を常に模索しています。
※積水フーラーのEVバッテリー向け接着剤の詳細は機能材・EVバッテリーのページでご確認ください。
※本記事で紹介している各種ソリューションは、積水フーラーの機能材事業部が担当しております。
ご質問やご要望がありましたら、各種お問い合わせフォームからご連絡ください。
