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【Glue Talk】EV・BESS・eVTOLに向けた難燃性フォームの選定ガイド

26.07.08

本記事はH.B. Fullerのウェブサイトに掲載された技術ブログを積水フーラーが翻訳したものです。
記事原文は以下のリンクからご覧いただけます。
A Buyer’s Guide to Flame-Retardant Foams

執筆者:Natalie Gjermo(ePower & Storage担当ストラテジックアカウントマネージャー)

ハイブリッド車や電気自動車(EV)への消費者需要が高まるにつれ、搭載されるバッテリーに求められる要件も一段と厳しくなっています。消費者が求めるのは、快適で手頃な価格、安全性に優れ、長い航続距離を実現できる車両です。こうした要求に応えるため、「セル・ツー・パック(Cell-to-Pack)」や「セル・ツー・シャシー(Cell-to-Chassis)」といった新しいバッテリー設計が広く採用され始めています。

次世代バッテリーの実現には、難燃性フォームを含む革新的な材料が不可欠です。難燃性フォームは、熱暴走の抑制、軽量化、高出力化、耐久性向上に寄与するだけでなく、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)、eVTOL(電動垂直離着陸航空機)、電動輸送車両など、用途ごとに異なる要件への対応を支援します。

現在、バッテリーメーカーは「難燃性フォームを使うかどうか」ではなく、「どの種類のフォームが自社の用途に最適か」を検討する段階に入っています。

用途に応じた難燃性フォームの選択

最適な難燃性フォームは、バッテリー設計の目的によって異なります。例えば、プラスチック製のセパレーターやモジュールケースを削減し、軽量化を図るメーカーもあれば、追加の機械的な補強は不要だが、熱暴走リスクをより効果的に抑えたいというケースもあります。

どの難燃性フォームを採用するかの判断は容易ではありません。設計や用途に応じた最適なフォーム選定については、H.B. Fullerのバッテリー専門チームが支援します。

バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)向けフォーム

すべてのBESSは同様の機能を果たしますが、設計は多岐にわたるため、必要とされる難燃性フォームも一様ではありません。セルをモジュールで固定する設計もあれば、構造用フォームによる補強が必要となる設計もあります。

業界のパイオニアと協働するメリット

今日では、EVバッテリーをはじめ多くの分野で難燃性フォームが使用されていますが、最初からそうだったわけではありません。H.B. Fullerは難燃性フォーム技術の先駆的な特許権者であり、顧客の用途に合わせた配合技術を長年にわたり磨いてきました。難燃性フォームの開発を牽引し、現在も製品ラインアップを拡充し続けるH.B. Fullerと協働することは、大きな競争上の強みとなります。

eVTOL向けフォーム

eVTOLのバッテリーは、BESSとは異なる環境にさらされます。BESSのような固定設備に搭載されるわけではないため、湿気や化学物質への耐性が求められます。また、機体を飛行させるためには、バッテリーの軽量化が不可欠です。

こうした要件を満たすには、軟質フォームよりも構造用難燃性フォームが適しています。構造用フォームを採用することで、重量のある機械的支持部材を削減しつつ、バッテリーの完全性を維持できます。さらに、外部環境からセルを保護し、万が一熱暴走が発生した際にはその影響を単一セル内に封じ込め、全体への波及を抑制します。

eVTOLのバッテリーは、炎天下の駐機エリアから飛行中の極寒環境まで、極端な温度変化にさらされます。難燃性フォームは極端な温度変動からセルを断熱し、パフォーマンスを向上させます。また、使用中は内部温度が上昇し、非使用時には低下します。難燃性フォームはバッテリーパック内の温度を均一に保つことで、セルが効率的かつ長時間動作できるよう支援します。

難燃性フォームのUL難燃性評価

eVTOLのパイロットや乗客の安全を確保するには、熱伝播の可能性を最小化することが不可欠です。UL難燃性等級は、難燃性フォームが熱暴走リスクをどの程度抑制できるかを判断する指標となります。H.B. Fullerの難燃性フォーム「EV Protect™」は、UL規格のV0(垂直燃焼性)およびHB(水平燃焼性)評価を取得しています。

V0評価の試験概要:
試料に10秒間の裸火を当てる工程を2回繰り返し、これを5つの試料で実施します。合格条件は以下の通りです。

  • すべての試料が10秒以内に消火し、滴下を生じないこと
  • 5試料の総燃焼時間が50秒未満であること

この2つ目の基準が非常に重要です。V0基準を満たすには、平均して5秒以内に消火する必要があり、非常に高い難燃性能が求められます。

H.B. FullerはV0等級のフォームを提供していますが、他社製品はV1〜V2等級が一般的です。EV、BESS、eVTOLにV0等級を採用することは、重要な差別化要因となります。

EVバッテリーに最適なフォーム

過去1年間でハイブリッド車(HEV)への関心は高まりましたが、バッテリー式EV(BEV)への関心は横ばいでした。充電インフラの不足やコストが懸念材料となっているためです。こうした状況を踏まえ、メーカーはハイブリッド車の開発を進めつつ、将来的なBEV普及を見据えた取り組みを続けています。

航続距離の向上は、EVの普及を促進する上で極めて重要です。電動の建設機械や輸送車両、トラックなどの実用化にも直結します。

航続距離を延ばすには、エネルギー密度とバッテリー重量の最適化が不可欠です。セル数を増やせばエネルギー密度は高まりますが、重量が増し、走行に必要なエネルギーも増加します。そのため、軽量化と高出力化を両立する設計が求められます。

次世代の設計は、EVバッテリーメーカーが軽量かつ高エネルギーのバッテリーを実現する上で役立ちます。構造用難燃性フォームは、機械部品やプラスチック部品の代替として重量を削減し、エネルギー密度の高い設計を可能にします。また、密集したセル内での過剰な熱発生を抑え、熱暴走を防止します。

構造用難燃性フォームは、新しい設計を可能にし、安全性を高めるだけでなく、EVに次のようなメリットをもたらします。

  • 製造の複雑さを低減
    生産プロセスが簡素化されることでコストが下がり、より手頃な価格の車両につながります。
  • 耐振動性の向上
    走行中の衝撃は避けられませんが、それによってバッテリーの機能や寿命に悪影響を及ぼすことはありません。構造用フォームは、振動によるバッテリーの早期劣化や、衝撃による部品の脱落・位置ずれを防ぎます。

「プロバイダ」ではなく、「パートナー」を選ぶ重要性

H.B. Fullerの専門家は、用途に最適な難燃性フォームの選定から生産ラインへの導入まで、顧客と緊密に連携して支援します。

プロジェクトの目標を共有し、必要に応じて配合をカスタマイズし、製品試験や充填プロセスの最適化を行います。導入後も、プロセスが期待どおりに機能し、目標が達成されているかを継続的に確認します。これは、双方が積極的に関与しながら進める共同作業です。

すべてのフォーム(およびフォームのプロバイダ)は同じではありません

BESS、eVTOL、EV向けの難燃性フォームは、用途に応じて選定する必要があります。また、サプライヤー選びでは、専門知識、製品性能、サポート体制が重要な判断基準となります。

H.B. Fullerは欧州、アジア、米国の顧客向けに幅広い難燃性フォームを提供しています。米国向け製品には以下のラインアップがあります。

  • H.B. Fuller EV Protect 4006:半構造用フォーム。軽量化、熱伝播防止、NVH(騒音・振動・ハーシュネス)対策に寄与
  • H.B. Fuller EV Protect 5008:構造用フォーム。バッテリーやEV部品向けに高い支持力を提供
  • H.B. Fuller EV Protect 5009:優れた構造強度を持ち、従来部品の削減や代替を可能にする。Cell-to-Chassis設計に最適

ぜひH.B. Fullerの専門家に、貴社の製品および生産要件に最適な難燃性フォームについてご相談ください


※積水フーラーのEVバッテリー向け接着剤の詳細は機能材・EVバッテリーのページでご確認ください。
※本記事で紹介している各種ソリューションは、積水フーラーの機能材事業部が担当しております。
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