お知らせ

耐火性能を有した高耐候シーリング材「セキスイ耐火シーラント」を発売

 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「積水化学」)とH.B. Fuller Company(President and CEO: Jim Owens)の合弁会社である積水フーラー株式会社(代表取締役社長:丸山剛、以下「積水フーラー」)は、耐火性能を有した高耐候シーリング材「セキスイ耐火シーラント」を2022年10月1日に発売します。

1.開発背景

 積水フーラーは、変成シリコーン樹脂を用いたシーリング材・接着剤のパイオニアとして、住宅・建材業界において30年以上の実績を有します。健康に配慮した原料選定、耐久性の向上、低汚染機能の付与など、多くの住宅・建材メーカーとの取り組みのなか中で先進的な技術構築を進めてきました。
 昨今、防災、安心・安全への意識の高まりにより、建物には大切な生命と財産を守るシェルターとしての役割が一段と求められるようになりました。戸建住宅やマンションでは、万が一の火災時にも安全に避難ができるよう、防耐火性能を有した外壁材や内装壁が採用されています。
 しかしながら、壁の目地や壁と躯体の隙間に施工される一般的なシーリング材は、燃焼すると灰化し炎・熱・煙の通り道になることから、目地部は防耐火上の弱点といわれていました。そのため、防耐火構造の建物では、目地部にシーリングの裏側に無機材料による耐火処理を施したり、目地す、目地の裏側に間柱を配置するなど、居住空間内への火の侵入を防ぐための「追加施工」や「設計の制限」という課題がありました。
 今回の課題解決にあたっては、積水フーラーの持つシーリング・接着剤配合技術と、熱膨張耐火材耐火加熱膨張剤“フィブロック”を有する積水化学の耐火技術を融合し、有機材料の利点である「弾性・接着性」、無機材料の利点である「耐火性」の相反する材料特性を最大限に発揮するよう、3年間にわたり開発、検証を行いました。この度、技術構築、量産化のめどが立ちましたので“セキスイ耐火シーラント”を上市することとなりました。

2.「セキスイ耐火シーラント」の特徴

 「セキスイ耐火シーラント」は、有機材料と無機材料、それぞれの利点を最大限発揮する配合を見出したハイブリッド型のシーリング材です。通常時はゴム弾性体として長期間、止水性能や接着性を発揮。火災時には燃焼・膨張し不燃性のセラミック層を形成することで、炎・熱・煙の侵入を防ぎまストップします。

① 耐火機能

 「セキスイ耐火シーラント」に含まれる耐火性を付与する添加剤が、火災時の燃焼熱によって充填剤と結合し、3倍程度に膨張します。また燃焼後は、不燃性の硬い固いセラミック層を形成し、800℃で60分間加熱された後でも形状を保持します。これにより、火災の熱によって収縮・変形する外壁材の目地をふさぎ、居住者が退避するまでの間、火炎・煙・熱の通り抜けを遮断する効果が期待できます。

■加熱燃焼試験①

【試験条件】

  • シーリング材を幅 10 ㎜×深さ 10 ㎜×長さ 100 ㎜の目地形状になるように打設、23℃50%RH 環境下で 7 日間養生し完全硬化させたものを試験体とした。
  • 試験体を所定の雰囲気温度に加熱した電気炉に入れ、30分放置し状態を観察した。

【試験結果】

■加熱燃焼試験②

【試験条件】

  • 右図のように、ALC板の目地部分にシーリング材を打設、23℃50%RH環境下で7日間養生し完全硬化させたものを試験体とした。
  • 試験体を600℃に加熱した電気炉に入れ、30分間放置しシーリング材の状態を観察した。

【試験結果】

② シーリング機能

 耐火性能を有しながら、接着性と柔軟性を兼ね備えた「セキスイ耐火シーラント」は、日本産業規格(JIS)のJIS A 5758:2016 建築用シーリング材 耐久性区分8020に相当する耐久性を持ち性能を有し、建物の長寿命化に貢献します。
 また、変成シリコーン樹脂を主成分としているため、硬化後には塗装が可能なほか、シリコーン系シーリング材に見られるような目地周辺の汚染がなく建物の美観を保持します。日本接着剤工業会のJAIA F☆☆☆☆認定(※)も取得しており、内装材の接着・シーリング用途でも安心してご使用いただけます。

■基本性状

③ 施工性

 1 液湿気硬化タイプのシーリング材であり、2液混合の手間がかかりません。また、333mlの筒型カートリッジを採用し、一般のカートリッジガンですぐに塗工することが可能です。適度な粘性をもち、押し出し性に優れます。また、ノズルが付属しており、パテ状の製品では施工が困難であった隙間の充填作業も手を汚すことなく容易に施工することができます。

3.製品概要

製品名:セキスイ耐火シーラント
荷姿:333ml カートリッジ 10 本入り段ボール×2 箱(PPバンド掛け)

4. 今後の事業展開

 積水フーラーでは、引き続き社会課題の解決に向け、耐火関連技術を用いた商品開発による事業展開を進めます。2025年度、「セキスイ耐火シーラント」を含む耐火関連製品の売上高3億円を目指します。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお客様 一般のお客様
積水化学工業株式会社 広報部
kouhou@sekisui.com
積水フーラー株式会社 お問い合わせ窓口
TEL:0120-29-6771

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